フェルナンデス枢機卿:労働の尊厳説いた故教皇を回想
ローマ教皇の葬儀と共に始まる9日間の喪の期間、「ノヴェンディアーリ」が続いている。
この期間、バチカンでは、教皇フランシスコを追悼するミサが連日捧げられている。
「ノヴェンディアーリ」4日目、29日(火)には、聖ペトロ大聖堂主席司祭マウロ・ガンベッティ枢機卿によるミサが、教皇直属バジリカの関係者らと共に、また5日目、30日(水)には、枢機卿団副主席レオナルド・サンドリ枢機卿によるミサが、教皇儀式の奉仕団に属する枢機卿たちと共に司式された。
「ノヴェンディアーリ」6日目、5月1日(木)には、教理省前長官ヴィクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿によるミサが、教皇庁各省・諸機関の関係者と共にとり行われた。
教会暦で「労働者聖ヨセフ」を記念したこの日、アルゼンチン出身のフェルナンデス枢機卿は説教の中で、故教皇がブエノスアイレスで司牧していた時代から、いかに労働の価値と尊厳を心に留めていたかを思い起こした。
フェルナンデス枢機卿は、かつてある集いで、当時のベルゴリオ師が「労働の尊厳について、わたしは倦むことなく話し続けるだろう」とアルゼンチンの企業家たちに言っていたのを回想。
教皇フランシスコにとって、労働とは人間の尊厳を表現し、育むものであり、自分の能力を伸ばし、関係を築き、この世界をより良いものとすることで神に協力し、社会に有用で、家族を助けるものであった、と述べた。
同時に、フェルナンデス枢機卿は「労働者」としての教皇フランシスコの姿を回顧。
教皇フランシスコは労働の価値を説いただけでなく、その人生を一つの使命として大きな努力と情熱をもって生き、その年齢や健康状態にも関わらず、朝から一日中、決して容易ではない仕事をリズムを崩さずこなしていたことは驚くべきこと、と話した。
ブエノスアイレス時代も、ベルゴリオ師は決して休暇を取らなかった、と同枢機卿は語り、夏で司祭が見つからない時でも、彼だけは必ずいた、と振り返った。
そして、教皇フランシスコの毎日の仕事は、神の無限の愛への返答であり、他者のための配慮の表れであった、と強調した。
聖ヨセフに対する教皇フランシスコの大きな愛を思い出しつつ、フェルナンデス枢機卿は、天国で故教皇を強く抱擁してください、と聖ヨセフに祈った。